破格の移籍金、賞金額、
予選落ちなし。
LIVゴルフの出現に、
ゴルフ界がざわついています。
たった４８名で行われる
トーナメントの優勝賞金が、
４００万ドル（約５億円）
これは、メジャー大会の優勝賞金を
はるかに上回っています。
こんな夢のような大会、
誰もが出場したいと思います。
しかし、選手の意見は賛否両論。
タイガーウッズも、
1000億円のオファーを受けたようですが
拒否しました。
「それがゴルフにとっての
最善の利益になるとはまだ思えない。」
それが、
破格のオファーを蹴った理由です。
参加する選手は、
それだけの賞金を受け取るだけの
プレーをしていない。
ということでしょうか？
確かに、LIVゴルフは注目度が低く、
利益を生み出していないように見えます。
なので、参加選手は、
飼い殺しのようにならないか心配です。
この記事では、タイガーウッズが、
LIVゴルフのオファーを断った理由について、
私の見解をまとめてみました。
LIVゴルフとは？
LIVゴルフとは、
サウジアラビア政府の支援によって
開催されているトーナメントです。
元世界1位のグレッグ・ノーマンが
CEO兼コミッショナーを勤めています。
LIVとは、「54」を意味します。
トーナメントのラウンド数、
3ラウンド、54ホールストロークプレーから
来ているようです。
スコア「54」を目指す、
という意味でないのは残念ですね。
１試合の賞金総額は、
3000万ドル以上（約40億円）。
メジャーの賞金総額1500万ドル
（約20億円）と比べても、
2倍以上になります。
ちなみに、
日本で一番高額のトーナメントは、
ダンロップフェニックスの
1億5000万円です。
スケールが違いすぎです。
LIVゴルフの参加資格
LIVゴルフの参加資格は、
Gノーマンからオファーを受けた選手です。
オファーを受けた選手は、
移籍金を受け取り、
LIVゴルフの参加が認められます。
主な選手は。
Dジョンソン、
移籍金1億5千万ドル（200億円）
Bデシャンボー、
移籍金1億ドル（130億円）
Pミケルソン
移籍金2億ドル（260億円）
などがいます。
他の選手も、
ランキングや実績から、
移籍金が決まっているようです。
移籍金だけで100億円超えなんて、
凄すぎです。
日本からも
- 木下陵介
- 稲森佑貴
- 谷原秀人
- 香妻陣一郎
の４人が参加しています。
日本選手の場合は、
オファーによる参加ではなく、
応募して選ばれて参加したようです。
個人戦と団体戦がある
LIVゴルフには、
個人戦の他に、団体戦があります。
48人を4人ずつ、
12チームに分けた団体戦も行われます。
たとえ、個人戦の成績が悪くても、
他のチームメイトのスコアが良ければ、
団体戦の上位の賞金が手に入ります。
個人戦も団体戦でも賞金が出るのは、
おいしいトーナメントですね。
予選落ちなし
LIVゴルフのトーナメントは、
予選落ちがありません。
選ばれた48人が、
全て54ホールをプレーします。
なので、出場者全員に賞金が出ます。
賞金額の最低が、1600万円とか…
日本のトーナメントの、
優勝賞金に近いですね。
参加している以上、
どんなスコアでも1600万円…
ちょっと稼ぎすぎな気がします。
参加した選手はPGAツアーに出られない
PGAツアーのコミッショナーは
次のように言っています。
LIVゴルフに参加した選手は、
PGAツアーおよび
プレジデンツカップの出場を停止する。
一度参加した選手は、
二度とPGAツアーには
戻って来れないようです。
PGAツアーに参加できなければ、
メジャー大会への参加も、
次第にできなくなります。
PGAに参加しながら、
おいしい賞金稼ぎは許さない、
ということでしょうか？
PGAツアーは完全に分離状態です。
もし、LIVゴルフが破綻したら、
参加選手はどこでプレーするのでしょうか？
注目度は低い
LIVゴルフは、
地上波やBSでの放送がありません。
DAZNが有料で配信しているのみです。
その他では、LIVゴルフの公式サイトや、
Youtubeチャンネルで配信しているのみ。
なので、注目度は低いです。
トーナメントの映像を見ても、
観客はまばらです。
こちらがその動画です。
ティーグラウンドや、
グリーン周りには観客がいますが、
その他は観客がまばらです。
PGAに比べると、
観客は少なめです。
確かに、
ビッグネームの選手が出ていますが、
ランキング下位の選手も多くいます。
ランキング上位の選手だけでの優勝争い、
ということにはならないでしょうか？
あまり、見たいとは思いません。
サウジアラビアは、
湯水のようにお金のある国。
トーナメントが注目されようが、
されなかろうがどうでもいい。
ということでしょうか？
でも、選手はどう思うのでしょう？
注目されないトーナメントで、
モチベーションが上がるのでしょうか？
それとも、お金のため、
と割り切ってプレーするのでしょうか？
今後の選手の動きに注目したいです。
利益を生んでいないのでは？
通常のトーナメントは、
スポンサーの広告費や、
観客のチケット代から、
賞金が決まります。
多くの人が
そのトーナメントを見なければ、
賞金が出ません。
赤字になるのなら、
そのトーナメントは廃止です。
しかし、LIVゴルフの賞金は、
サウジアラビア政府から出るお金です。
そのトーナメントが盛り上がらなくても、
関係なしに賞金が出ます。
実力が伴っていなくても、
それなりの賞金が手に入るのです。
観客も少ない、
放送もされていないトーナメントで、
破格の賞金額。
これでは、
利益を生んでいるとは思えません。
通常なら破綻するトーナメントが、
サウジアラビア政府の援助で
支えられているだけです。
赤字になろうが、
サウジアラビア政府が破綻しない限り、
続けられるのです。
まさに、選手の飼い殺しです。
私は、多くの観客に注目され、
その見返りとして報酬を受け取ることが、
プロゴルファーの仕事だと思います。
プレーに見合わない報酬のプロは、
どこの世界でも契約を解除されます。
選手はそれで満足か？
LIVゴルフについては賛否両論ありますが、
結局辞めさせることはできません。
サウジアラビア政府がお金を出して、
参加する選手がいる以上、
トーナメントは成立します。
いくら赤字になっても、
スポンサーがいる限り、
トーナメントは続きます。
しかし、参加している選手は、
それで満足なのでしょうか？
いくら、お金のためとはいえ、
観客が少ない注目されていない賞金額が保証されている
そんなフィールドでプレーする選手は、
それで満足なのでしょうか？
お金は使えばなくなるけど、
名誉は無くならない。
と樋口久子会長は言っていました。
参加している選手の中には、
今後もメジャーで活躍して、
記録を残しそうな選手も含まれています。
将来メジャーで勝てるかもしれない
選手もいます。
しかし、LIVゴルフに参加する以上、
- PGAのツアーに出られない。
- ライダーカップも出られない。
メジャーには参加できるものの、
出場資格のない選手は、
それもできなくなります。
PGAツアーに戻れない以上、
過去の優勝者以外は、
メジャートーナメントにも
出られなくなります。
巨額の報酬を受け取る代わりに、
名誉は捨てなければなりません。
それでも、お金をとるのでしょうか？
選手はそれで満足でしょうか？
もったいない気がしてなりません。
LIVゴルフの今後
LIVゴルフは、
４８名のトーナメントということで、
参加者が増えれば、
参加できない選手も増えると思われます。
今は、人数が少ないので、
参加選手にとっては、
稼げるチャンスです。
しかし、人数が増えてくると、
稼げる額が減ってくることが予想されます。
ランキング上位の選手は稼げても、
参加できずに賞金を稼げない、
という選手は増えます。
そういった選手は、
PGAに戻ろうとしても、
戻れなくなります。
行き場を失った選手は、
どうするのでしょうか？
シニアに近い選手は
それでもいいかもしれません。
でも、
将来のある選手が行き場を失うのは、
とてももったいないことです。
まとめ
この記事では、タイガーウッズが、
LIVゴルフのオファーを断った理由に対する
見解ついてお伝えしました。
LIVゴルフは、注目度が低く、
それ自体で利益を生んでいないと思われます。
しかし、赤字が出ようが、
お金の続く限り、
トーナメントは開催されます。
それが必ずしも、
選手が実力で勝ち取った
賞金ではありません。
実力以上の賞金を、
選手は受け取っています。
タイガーの言うように、
選手にとっても
最善の利益ではないのです。
プロゴルファーの賞金は、
いかに観客を呼べるかによって決まります。
観客の少ないトーナメントは、
利益を生みません。
赤字のトーナメントで、
お金を払って、
選手をとどめておく。
これは選手の飼い殺しです。
いざというときに、
PGAツアーに戻れない選手は
かわいそうな気がします。
今後のLIVゴルフツアーの動向に
注目したいです。
