今年最初のメジャートーナメントのマスターズは、
2020年4月9日から12日まで
ジョージア州のオーガスタナショナルゴルフクラブで開催されます。
マスターズゴルフトーナメントは、
4大大会で唯一、毎年同じコースで行われるトーナメントです。
昨年は、タイガーウッズの復活優勝が感動的でしたね。
私もしびれました。
そこで、この記事では、
マスターズゴルフの歴史を変えた、
タイガーウッズの初優勝の凄さを
お話ししたいと思います。
飛距離とアイアンの正確性で他を圧倒
タイガーウッズのマスターズ初優勝は、
1997年、タイガーが21歳のことでした。
初優勝でマスターズ最年少優勝、
12打差の圧勝でした。
12打差の優勝は、
マスターズゴルフの記録として
今も破られていません。
そして、そのときのスコア18アンダーも、
マスターズゴルフの最小スコアの記録として
今も残っています。
1997年のマスターズは、
記録ずくめのマスターズでした。
でも、私が凄いと思ったのは、
飛距離で他を圧倒した
彼のプレーでした。
例えば、15番、当時500ヤードのパー5でした。
多くの選手がセカンドショットを狙うか刻むか
迷っていたホールです。
狙って失敗すれば池につかまり、
ボギーもやむを得ません。
そんなホールでタイガーはドライバーを飛ばし、
セカンドショットがピッチングウェッジ!?
直接ピンを狙うショットをしたのです。
今では、それくらいの選手はいそうですが、
当時としては衝撃的でした。
今のような大型ヘッドのない時代でしたから。
他のホールでもタイガーは、
圧倒的飛距離とアイアンの正確性で
他の選手を圧倒しました。
他の選手がロングアイアンを使い、
セカンドショットでグリーンに乗せるのがやっとのホールを
タイガーウッズはショートアイアンでピンを狙い、
バーディーを重ねていきました。
3日目を終えた時点で、
「優勝はタイガーで決まりだ。俺が保証するよ。」
と各選手は白旗を上げていたほどです。
マスターズのジンクスを変えた
タイガーウッズが初優勝する前
マスターズゴルフでは、
- メタルドライバーを使う選手は優勝できない
- 左利きの選手は優勝できない
というジンクスがありました。
おかしなジンクスですよね。
当時のドライバーは、
メタルドライバーとパーシモン(柿の木)ドライバーの2種類でした。
当然、メタルドライバーの方が飛距離が出たのに、
なぜ優勝できないのでしょうか?
その理由は、ドローボールを打つ必要があったからです。
例えば、10番のパー4は左ドッグレッグで、
左のコーナーにドローボールを打つと
下り傾斜に跳ねて距離を稼ぐことができます。
ストレートボールを打つと突き抜けてしまいます。
傾斜を使えないと遠回りになってしまうのです。
13番のパー5も左ドッグレッグで
コーナーに高い木があるため
ストレートボールではうまく攻略できませんでした。
他にも、ドローボールが打てないとうまく攻められないホールがあり、
メタルドライバーのチャンピオンがいなかったのです。
当時のメタルドライバーではうまくコントロールできなかったため、
パーシモンのドライバーのチャンピオンしかいなかったのでしょう。
左利きのチャンピオンがいないというジンクスも同じ理由です。
左利きはドローボールではなくフェードボールを打たないといけません。
フェードボールでは距離を出すのが難しい、
という理由から左利きのチャンピオンがいなかったのです。
タイガーの前にはジンクスも関係なし
しかし、タイガーウッズの圧倒的飛距離の前には、
ジンクスも関係ありませんでした。
ドッグレッグのホールは、
スプーンでティーショットして
突き抜けないように打っていました。
そもそも遠回りしても、
ウッズの飛距離なら圧倒的に有利です。
左利きのジンクスも2003年に破られました。
最初に破ったのは
カナダのマーク・ウィア選手です。
左利きの雄、フィルミケルソンンより先に破りました。
タイガーウッズは左利きではありませんが、
打倒タイガーで各選手が飛距離アップに取り組んだからです。
タイガーウッズが出てきたことで、
間違えなく他の選手の飛距離も伸びました。
その後、フィルミケルソンンも優勝し、
2014年にはハイフェードで350ヤードを飛ばす
バッバ・ワトソンも優勝しました。
やはり、圧倒的飛距離の前には、
右も左も関係ないということでしょうか。
ジンクスを楽しむ者としては、
ちょっと寂しい気もしますね。
オーガスタが改造された
タイガーの初優勝の後、
オーガスタナショナルゴルフクラブは改造されました。
まず、ラフがなかったオーガスタですが、
1998年にはラフができました。
そして、大改造は2002年、
全体の距離が300ヤード長くなりました。
15番も500ヤードから530ヤードに、
13番は465ヤードから510ヤードに
伸びました。
これは間違いなくタイガーウッズが出てきて、
選手全員の飛距離がアップしたことに他なりません。
タイガーウッズが表れたことで、
世界のゴルフのレベルが上がったのです。
距離が伸びた当初は各選手攻略に苦労していましたが、
今では以前のようなハイスコアが出るようになりました。
ゴルフの進歩はすごいですね。
不倫騒動、飲酒運転による逮捕からの復活優勝
でも、2019年のタイガーウッズの優勝は
本当にしびれました。
だって、2年前に薬物運転で逮捕ですよ。
その前にも、自己ワーストスコア82
世界ランキング674位まで下落
もうツアープロの中でも飛ばない方です。
この流れで逮捕されたら、
もう立ち直れないと思いますよ、普通。
でも、翌年に復帰して、
全英オープン6位、全米プロで2位
そして、昨年のマスターズを優勝!
奇跡としか言いようがありません。
こうなったら、今年も優勝して、
是非、東京オリンピックに出て欲しいです!
マスターズの見どころ
今年のマスターズの見どころは
やはりタイガーです。
連覇がかかっていることもそうですが、
今年優勝すると6回目の優勝となり、
ジャックニクラウスの持つ最多優勝記録に並びます。
また、昨年優勝している関係で、
今年優勝しないと世界ランキングが下がり
オリンピック出場枠から外れる可能性もあります。
なので、松山秀樹にも頑張って欲しいですが、
私はタイガーウッズを応援します。
マスターズは他にも見どころはあります。
毎年同じコースで開催されますが、
私は一番面白いトーナメントだな
と思います。
グリーンの曲がり具合が凄い
今まで、マスターズを見たことのない人は、
オーガスタのグリーンを見ただけでも楽しめると思います。
例えば、
グリーンの奥に落ちたボールが、
バックスピンでグリーンの手前まで戻ったり
全く違う方向に飛んだボールが
傾斜を転がってピンそばに寄ったり、
日本のコースではあり得ない曲がり方をします。
そんなグリーンの曲がりを見ているだけでも楽しめると思いますよ!
注目は12番ホール
オーガスタの12番ホールは、
155ヤードの池越えのパー3。
プロなら9番アイアンの距離です。
やさしいホールだと思いますよね。
しかし、このホールではドラマが起きます。
グリーンを少しでもショートすると、
池につかまってしまうのです。
例えば、2016年のジョーダンスピースは、
3打差のリードでこのホールを迎えました。
しかし、ティーショットはショートして池につかまってしまいます。
そして、池の手前にドロップした第3打。
あろうことか大ダフりして、
池の真ん中に落ちてしまったのです。
まさか、まさかですよね。
ツアープロでもこんなことがあるんだなー
と思いました。
結局、このホール7で2位に後退。
スピースは優勝を逃しました。
他にも、この12番ホールで池につかまって
優勝を逃した選手は何人います。
逆に1992年のフレッドカプルスは、
ショートして池に入りそうになりましたが、
寸前のところで入らなかったこともあります。
カプルスは、池まで数十センチくらいの位置からナイスアプローチ。
パーセーブをしてそのまま優勝した
というドラマもあります。
短いけど、距離感に苦労するのがこの12番ホールです。
13番、15番はバーディー、イーグルのオンパレード
オーガスタの13番、15番ホールは、
距離が伸びたとはいえ、
プロにとっては短いパー5です。
バーディー、イーグルで一気に上位に上がる選手が毎年見られます。
13番、15番2ホールともイーグルを取る選手もいます。
しかし、池が絡んでいるホールなので、
失敗するとスコアを落とします。
つまり、この2ホールは、
大きくスコアが動くホールといえるでしょう。
このホールでバーディーが取れないと
優勝争いから脱落です。
はたして、13番、15番で誰がスコアを伸ばすのか
注目ポイントです。
段差のあるグリーンが勝負の明暗を分ける
他にも、16番、18番は段差のあるグリーンで、
乗った位置によってはボギーも覚悟しなければいけない難しいグリーンです。
段の上に乗ったらパターでも寄せられない、
落ちてきたらピンそばに寄る。
ほんの数十センチの差で、
バーディーかボギーか明暗が分かれることもあります。
結果がどうなるかは
神のみぞ知る
です。
今年はどんなドラマが起きるのでしょうか?
マスターズゴルフの放送予定
マスターズゴルフ、地上波の放送はTBS系列で放送します。
初日
2日目
3日目
最終日
(2020年のマスターズの放送予定はまだ未定です)
最近は、夜中から放送されていて、
アウトコースのプレーも放送されます。
インコースも面白いですが、
アウトコースもなかなか面白いコースが揃っています。
最終日は、最終組のスタートからホールアウトまで放送されるので、
早起きすれば緊迫した優勝争いのプレーを最初から見ることができます。
日本のトーナメントにはない面白さがあるので
是非、ご覧になってください。