全米プロゴルフ選手権は、
ゴルフの4大メジャー大会の一つです。
マスターズ、全米オープン、全英オープンと並んで、
ゴルフの最高峰のトーナメントです。
この大会は、4大メジャーの中で、
唯一アマチュアの出場が認められていません。
英語で、PGAチャンピオンシップと呼ばれる通り、
PGAツアープロのチャンピオンを決める大会なのです。
全米プロゴルフ選手権では、
過去に中島常幸選手が3位に、
青木功選手が4位に入っています。
その他は、松山秀樹選手が2016年に4位、
2017年に5位に入っています。
日本人でトップ10に入ったのは、
それだけです。
意外に苦戦しているようです。
しかし、アジア選手の中では、
過去に日本ツアーで活躍したY・E・ヤン選手が
タイガーウッズとの死闘を征して優勝しています。
ヤン選手はアジア人として初めてのメジャー制覇です。
また、アジアンツアーでも活躍していた、
フィジーのビジェイ・シン選手の
メジャー初優勝もこの大会です。
この2人に代表されるように、
全米プロでは意外とメジャー初優勝が多い大会のように感じます。
2020年のコリン・モリカワ選手も、
ツアー初優勝がメジャー大会という快挙でしたね。
この全米プロゴルフ選手権は、
他のメジャー大会と比べて何か違いがあるのでしょうか?
この記事では、全米プロゴルフ選手権の特徴や、
優勝する選手の傾向についてまとめてみました。
出場資格はアメリカツアーが中心
全米プロゴルフ選手権の出場資格は、
他のメジャー大会とはちょっと変わっています。
それは、マスターズ、全米オープン、全英オープンは、
世界ランキングを基準に選ばれるのに対して、
全米プロはPGAの賞金ランキングを基準に選ばれるということです。
この選考基準を見ると、
アメリカツアーを中心に選考されていることがわかります。
では、出場資格を見てみましょう。
- 全米プロゴルフ選手権の過去の優勝者
- マスターズ、全米オープン、全英オープ過去5年の優勝者
- 同じ年の全米プロシニアの優勝者
- 前回の全米プロゴルフ選手権の15位以内
- 同じ年のPGAクラブプロ選手権の20位以内
- PGAの賞金ランキング70位以内
- ライダーカップ、プレジデンツカップのアメリカメンバー
- 前年の全米プロゴルフ選手権以降にPGAで優勝した選手
- PGAオブアメリカが推薦した選手
- 以上の資格で156人に達しない場合は、PGAの賞金ランキング71位以下の選手から、ランキング上位の選手に出場資格が与えられる
いかがですか?
この出場資格の基準を見ると、
アメリカツアーで賞金を稼いでいない選手は、
他のメジャーで優勝するか、
PGAオブアメリカの推薦をもらうしかないように思います。
例えば、日本の賞金王でも、
PGAオブアメリカの推薦がなければ出場できません。
ヨーロッパツアーの賞金王でも同じです。
逆に、PGAの選手は、あまり成績が良くなくても、
1回でも優勝すれば出場資格が得らることになります。
つまり、全米プロゴルフ選手権の出場選手は、
アメリカのPGAツアーの選手を中心に選考されているのです。
PGAチャンピオンシップ(PGAのチャンピオンを決める大会)、
と呼ばれるのはそういう理由もあるのかな、
と思います。
コース距離は年々長くなっている
全米プロゴルフ選手権は、
メジャー大会だけあって、コースセッティングは難しくしてありますが、
全米オープンのような、難易度にはなっていないようです。
スコア的にもオーバーパーが優勝になることはないからです。
全米オープンは、
優勝スコアをイーブンパーを目標に
コースセッティングを考えているようですが、
全米プロはそこまで難しくありません。
悪くても-5以上の優勝スコアにはなっているようです。
それよりも、年々開催コースの距離が長くなっているような印象があります。
7400ヤードを超える距離で、パー70。
パー5のホールをパー4にして、難しくしてあります。
パー5でもなかなかバーディーにならず、
パー4も長くて難しい。
そんなセッティングが多いような感じです。
なので、飛距離の出ない選手は、
なかなかスコアを伸ばせない傾向にあります。
それでも、飛ばし屋揃いのPGAツアーの選手は60台を出してきます。
PGAツアーの上位の選手は、
平均飛距離と比例している傾向にあります。
なので、全米プロはPGAツアーの上位の選手が有利な大会といえます。
メジャー初優勝の選手も多い
全米プロゴルフ選手権では、
過去にジャック・ニクラウス選手が5回、
タイガーウッズ選手が4回優勝しています。
ローリー・マキロイ選手やブルックス・ケプカ選手など、
当時の世界ランキング1位だった選手も2回優勝しています。
比較的、実力のある選手が上位になりやすい大会といえます。
逆に、メジャー初優勝が多いのもこの大会の特徴です。
例えば、2020年はコリン・モリカワ選手がPGAツアー初優勝がこの大会でした。
他にも、1991年のジョン・デイリー選手もツアー初優勝。
その後、全英オープンで2勝しています。
あるいは、世界ランキング上位にいながら、
なかなかメジャーで優勝できない選手が
メジャー初優勝するのもこの大会です。
1998年のビジェイ・シン選手も、
この大会で初優勝して、
その後マスターズでも優勝しています。
- PGAツアーで実力がありながらメジャーで勝てない。
- デビュー間もない選手で、実力のある選手。
そんな選手が、この大会で優勝したのを踏み台にして、
他のメジャーでも優勝しているようです。
全米プロゴルフ選手権は、
PGAの選手にとっては、
実力を発揮しやすい大会なのかもしれませんね。
まとめ
以上のことをまとめると、全米プロゴルフ選手権は、
- アメリカのPGAツアーの賞金ランキングを基準に出場権を与えている。
- PGAツアーでやっている選手が有利
- コースの距離が長く、飛距離が出ない選手は苦しい
- 飛距離の出るPGAツアーの上位の選手が活躍する
- 実力があってもメジャーで勝てない選手が初優勝する
- デビュー間もないPGAの選手が活躍する
そんな、トーナメントのように思います。
PGAでやっていない選手には苦しい大会ですね。
日本人選手の活躍に期待したいです。