最近のプロゴルファーは、
飛距離アップが凄いですね。
昔は平均260~270ヤードだったのが、
最近は300ヤードをはるかに超えて、
350ヤードを超えるプロも
少なくありません。
これは、ゴルフクラブや
ボールの進化もあると思いますが、
選手のフィジカルトレーニングや、
スイング改良による影響が
大きいと思います。
しかし、
プロゴルファーの飛距離アップが、
問題視されているようです。
ゴルフルールを決めているR&AとUSGAは、
ゴルフボールの新たな規制を提案しました。
ヘッドスピード56.7ms、
打ちだし角度11度、
回転数2220回転で打たれたボールは、
317ヤード以上飛ばないボールしか、
使えなくなるようです。
ちょっと良くわかりませんね。
わかりやすくいうと、
トップクラスの飛ばし屋の飛距離が、
14~15ヤードくらい飛ばなくなる、
ということです。
今現在で平均飛距離のトップは、
ローリーマキロイの326ヤードです。
その飛距離が310ヤードくらいになる、
ということでしょうか?
PGAには平均飛距離300ヤードの選手が
100名程度います。
それが、15名程度になりそうです。
日本の選手に至っては、
300ヤード以上の選手は
ほぼいなくなる状況です。
しかし、飛距離アップは、
選手の努力の賜物です。
フィジカルトレーニングや、
スイングの改善など、
選手は努力してスコアアップに励んでいます。
難しいコースでハイスコアを出すために、
飛距離アップは欠かせません。
R&AやUSGAはなぜ
飛距離に規制をかけるのでしょうか?
ボールを飛ばし過ぎると、
何がいけないのでしょうか?
選手の実力が評価されない
各選手が飛ばし過ぎることで、
ゴルフの試合自体がつまらなくなる、
ということが懸念されます。
なぜなら、選手の飛距離が伸びると、
ゴルフが簡単になるからです。
以前の飛距離なら、
気になっていたハザードなどが、
気にならないくらい
軽く超えてしまいます。
パー5で2オンが当たり前、
パー4でも1オンしたり、
短いクラブでパーオンできれば、
バーディーやイーグルが簡単になります。
飛ばし屋だけでなく、
ほとんどの選手がそんな状態なら、
スコアに差がつかなくなります。
実際、各選手のスコアは年々良くなっています。
例えば、予選カットのスコアは、
アンダーパーは普通になり、
2日間を4アンダーでも
予選落ちする試合もあります。
選手のスコアアップは良いことですが、
本来の実力が測れない、
という側面もあります。
各選手がハイスコアを出す試合では、
ショットの技術はあまり問われず、
パターがいくつ入ったかで
勝敗が決まってしまう、
という状況になるからです。
ドライバーを飛ばせば、
短いクラブでグリーンに乗せられる。
必然的にバーディーチャンスが増えます。
そのため、飛ばすだけで
ショットの精度の低い選手でも優勝できたり、
ショットの精度が高い選手でも
パターが入らなければ予選落ちする、
という状態になります。
個人的にそんな試合は、
あまり面白くないと思います
確かに、
フィジカルトレーニングを積んで、
飛距離アップした努力は、
認めなくてはいけません。
しかし、
ゴルフはそれだけではありません。
ショットの正確性も必要です。
実力のある選手が上位にくる、
そんな試合を私は見たいです。
コースを長くするのに限界がある
前項でお伝えした通り、
選手の飛距離が伸びると、
コースが簡単になってしまいます。
そこで、試合をが行われるコースは、
改造してコースの距離を長くしています。
例えば、
マスターズの行われるオーガスタは、
600ヤード以上長くなっています。
名物の13番パー5は、
465ヤードだったのが
今年から545ヤードに伸びました。
当初は短いパー5なのに、
バーディーが取れないホールだったのが、
選手の飛距離が伸びたため、
普通のサービスホールです。
選手の飛距離が伸びたことで、
コースの難しさがわからなくなります。
コースを長くするのは、
試合を面白くするためです。
しかし、コースを長くするのに、
周辺の土地を買収したり、
改造費用もかかります。
せっかく改造しても、
使われるのは試合が行われる4日間だけ。
一般のゴルファーには使われません。
これでは採算が
合わないのではないでしょうか?
コースを長くするのに
限界があるのであれば、
ゴルフボールに規制をかけるのは
仕方のないことです。
コースを難しくできない
コースを長くするのにも限界がありますが、
難しくすることにも限界があると思います。
ゴルフ場は、プロの試合だけでは、
経営が成り立ちません。
たくさんのアベレージゴルファーが、
ゴルフをプレーして、
初めて経営することができます。
そのため、
コースを難しくし過ぎることは、
なかなか難しいと思います。
- グリーンが止まらない
- 傾斜が激しい
- 深いバンカー
など、アベレージゴルファーが、
対応できないと、難し過ぎて、
コースに来なくなる可能性があります。
- シングルさんでも100を叩く
- グリーンに乗せるのに一苦労
- 初心者はホールアウトすらできない
といったコースでは、
プレーに時間もかかるし、
クレームになる可能性もあります。
試合のために
ラフを伸ばしたり
グリーンを硬く速くしたり
難易度を上げられるのは
それくらいでしょうか?
選手のために距離を長くしたり、
難しくしたりすることにも
限界があります。
まとめ
この記事では、R&AやUSGAが、
選手の飛距離に規制をかける理由について
お伝えしました。
選手が飛ばし過ぎると、
ゴルフが簡単になって、
スコアに差が付きにくくなる、
という弊害があります。
そのため、パターがいくつ入ったか、
で優劣が決まってしまいます。
その結果、試合自体の面白さが
無くなってしまいます。
ショットの正確性が良くても、
上位に入れなかったり、
予選落ちしたりすることもあります。
そこで、コースを長くしたり、
難易度を上げたりする、
という改造を余儀なくされます。
しかし、コース改造するのも限界があり、
難しくなりすぎたコースでは、
一般アマチュアが
対応できないことも考えられます。
ゴルフ場は、
一般アマチュアがラウンドして、
始めて経営ができます。
長く続けるためには、
アマチュアとの共存が不可欠です。
プロ野球が金属バットを使わないように、
プロゴルファーにも規制された道具を
使ってもおかしくありません。
道具の進歩によって、
ゴルフも進化していますが、
試合を面白くするには、
飛距離の規制をかけることも
仕方ないと思います。